パリのメトロのミュージシャン、通りすがりのちょっとした楽しみ
日本文化を常に恋しく思っている私ですが、パリの文化でひとつ、とても好きな文化があります。
それは、パリのメトロの駅構内や電車内で演奏するミュージシャンたちの存在です。
パリのメトロのミュージシャンたち
パリでは、メトロ駅構内に公式にミュージシャンの演奏スペースが設けられています。と言っても、ステージがある訳ではなく、”musicien”と書かれた大きなステッカーが壁に貼ってあるくらいですが。
そのスペースは、主要駅やメトロの乗り換え通路に設けられていることが多いため、お出かけすると日に一度はストリートミュージシャンに出会っているように思います。
そして演奏している人は、プレリュード・ド・パリという音楽協会とパリ交通RATPより、ちゃんと合格して許可申請をもらった選ばれし精鋭なのだとか。
ここからプロになっていった人もたくさんいるそうです。この間、フランス通のマダムにミュージシャン名も教えてもらいましたが、知らない人だったのでもう忘れてしまった・・
パリのメトロのミュージシャンの楽しみ方
駅構内の通路での演奏は、音が程よく反響します。そのため、通路を歩いていて、まだミュージシャンの姿が見えない段階でも、ミュージシャンの存在に気づくことができます。
私の楽しみ方は、それを通りすがりにタダ聴きすること。
立ち止まって聞いたらチップを入れるのがマナー、でも毎回の外出の行き帰りでチップをばらまく訳にもいきません。でも聞いていたい!・・葛藤の末、ミュージシャンがいると気づいたら、0.8倍速のスピードで歩きながら通り過ぎるという、我ながらセコい戦法で楽しんでいます(笑)
そんな私のお気に入りミュージシャン、「おじさん楽団」(勝手に呼んでいるだけです、正式名称は不明)
他のミュージシャンに比べ、格段にグループ人数が多いため、演奏に迫力があります。そして、とにかくシブい!
検索するとYoutubeで出てきました。
乗り換えの時に、たまに見掛けるおじさん楽団。ほんとしぶくてカッコイイんです。
メトロのミュージシャンはいつどこで出会うかは運次第。偶然出会うからこそ、なんだか幸せな気分になれる楽しみです。
パリのメトロの電車内にもミュージシャンがいることも
さすがにメトロの電車内には公式スペースは設けられていません。でも、許可なく演奏をする、ある意味本物のストリートミュージシャンに遭遇することもあります。
メトロの中に風のように現れ、2~3駅の間、乗降口前スペースで演奏をし、数曲終わったらチップを求めて去っていくような、ソロのミュージシャンが多いです。今まで出会ったのは、アコーディオンやアコギ、サックスを演奏する人。あと、スピーカーを携えて唄を歌う人なんかもいました。
電車内での演奏はかなり近距離でこちらの意志とは関係なく聞かされることになるため、賛否両論があるようですが。
私は好きな方です。
ついこの間、メトロ内で男性3人組のミュージシャンに出会いました。電車内で3人組で演奏しているのは珍しいなと思いましたが、特に気にせず、空いていた少し遠くの席に背を向けて座りました。
アコギ2人とパーカッション1人。移動する様子も見せず、電車連結部に寄りかかり、何曲も演奏しています。
この3人がすごい上手でした!特に3人がハモるところがすごくキレイで、乗り換えで降りなきゃいけないのが残念なくらいでした。演奏曲の中には、ビートルズの「ヘルプ」やクイーンの「I was born to love you」など、私にもわかる曲がアコギ用にアレンジされていて、聞いてた本当に楽しかったです。もっと聞いていたかったくらいでした。
この日、降りる間際、はじめてチップを入れました。
電車で席を譲る時のような、気恥ずかしさを感じながらチップを投げ入れ、お兄さんの微笑み返しに照れながら、そそくさとメトロを後にしました。
またどこかで出会えたらいいなぁ。
マツコ